第1回コラム「IMM(インパクト測定・管理)とは何か?実施主体は企業か、それとも投資家か?」では、一口にインパクト測定・管理(Impact Measurement and Management:IMM)といっても、「投資家主体・ポートフォリオレベルのIMM」と、「企業主体・個社レベルのIMM」という、レイヤーが異なる2種類のIMMが存在することを述べました。
「投資家主体・ポートフォリオレベルのIMM」と「企業主体・個社レベルのIMM」のイメージを図示すると下図のようになり
スタートアップのためのインパクトガイド(Impact for Startups 日本語版)
JANPIAの小崎です。
JANPIA出資事業部では、「スタートアップのためのインパクトガイド(Impact for Startups 日本語版)」を公表します。
本ガイドは、Tech For Goodなスタートアップを支援する英国のBethnal Green Ventures(以下BGV)が2022年に作成した「Impact for Startups」を、BGVの許可を得てJANPIA出資事業部が日本語版に翻訳したものです。
インパクト投資では様々なフレームワークが存在
100年以上にわたって社会正義と平等の問題に取り組んでいる財団のBarrow Cadbury Trustは、休眠預金のBSC(Better Society Capital)などと協力し、10年で「貧困プレミアム」を撲滅するためにシステムを変革するキャンペーン「FAIR BY DESIGN」を立ち上げました。
今回紹介するFair By Design Fundは、このビジネス領域の取り組みの一環としてベンチャーキャピタルのAscensionと協働で立ち上げられたものです。
インパクト投資活動において、欠かすことができない重要な要素の一つとされているのがIMMの実施です。IMMとは、Impact Measurement and Managementの略で、日本語では「インパクト測定・管理」や「インパクト測定・マネジメント」と表記されます。
このコラムでは、IMMの成り立ちや、その意味合いを確認するとともに、IMMには企業主体・個社レベルのIMMと、投資家主体・ポートフォリオレベルのIMMが存在する、という点について解説します。
IMMという言
超初期のインパクトスタートアップへの投資に伴うリスクをどう低減するか?:Bethnal Green Ventures
社会的課題の解決に挑む超初期のスタートアップに投資を行う際には、そのリスクの高さが課題になります。社会環境課題の領域を分散することでこのリスクを低減しているのが、今回紹介する英国のBethnal Green Venturesです。
同社は、英国インパクト投資業界において 10年以上アクセラレーターを運営し、プレシード期に株式投資している唯一のファンドを運営しています。
Bethnal Green Venturesとは?Bethnal Green Venturesは、Tec
老舗社会的企業によるインパクト投資:Growth Impact Fund
インパクト投資領域のベンチマークとなる国はどこか、という問いに対して、必ず名前が挙がる国の一つが英国です。英国の休眠預金などを資金源として社会的インパクト投資の拡大に取り組むビッグ・ソサエティ・キャピタル(現ベター・ソサエティ・キャピタル、以後BSC)の集計によると、英国における社会的インパクト投資(※)の額は、2011年の833百万ポンドから2022年の9,357百万ポンドと約10倍に成長しています。
(詳細:BSC(2024)「10 LESSONS FROM GROWIN