JANPIA出資事業部note | インパクト投資の世界を広げる

インパクトファーストな投資情報や社会的インパクト評価の先進事例、社会課題を解決するインパクトスタートアップに関する情報などをお届けします。休眠預金の指定活用団体である日本民間公益活動連携機構(JANPIA)出資事業部の公式noteです。

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マガジン

専門家によるインパクト投資コラム

各分野の専門家によるインパクト投資に関する知見やノウハウをまとめました。

くわしく見る

Prove か Improve か?企業や投資家はなぜインパクト測定を行うのか? ~林寿和コラム 第4回

「インパクト投資」の実践を標ぼうする投資家や、「インパクトスタートアップ」「インパクト企業」を標ぼうする企業の間では、何らかの「インパクト測定」を行うことが、デファクト・スタンダート(事実上の標準)となりつつあります。しかし、こうした企業や投資家は、そもそも論として、一体なぜインパクト測定を行うのでしょうか。インパクト測定にはどのような効果があるのでしょうか。 このコラムでは、「インパクト測定をなぜ行うのか」という、極めて本質的な問いについて考えてみたいと思います。 イン

インパクトの実現に資する投資手法の設計 ~渡邉貴久コラム 第2回

インパクト投資実務では、ファンド等の投資期間内での事業成長とIPO・M&Aによるエグジットを前提とした、既存のPE/VC型の投資と同様の態様で実施されることも多いと認識しています。しかしながら、金融庁が2024年3月に公開したインパクト投資(インパクトファイナンス)に関する基本的指針においても、特に社会課題解決に係る事業については、社会・環境的効果の実現や事業性の創出に一定の時間を要する場合も多いことを踏まえて、投資家からの様々な形式でのファイナンスを通じた貢献の重要性が指摘

インパクト・ファースト ファンドの実態~須藤奈応コラム 第1回

インパクト投資は、経済性と社会性を同時に追求する投資のことを言いますが、より経済性を重視するのか、社会性を重視するのかは、インパクト・ファンドの戦略によって異なります。Global Impact Investing Network(GIIN)の調査結果によると、経済性をより重視するファンド(ファイナンシャル・ファースト)が圧倒的に多数で74%を占めていますが、残り26%〔 内訳はマーケットレートよりも低く、資本保全に近い(12%)、マーケットリターンに近い(14%)〕は社会性

インパクト投資における投資プロセスで段階別に考慮すべきこと(概説)〜渡邉貴久コラム 第1回

インパクト投資は、財務的なリターンだけでなく、社会や環境にポジティブな影響をもたらすことを目的とした投資手法であり、近年、多くの投資家から注目を集めています。インパクト投資においては、意図したインパクトの実現とインパクトウォッシュを避けるという点が重要な命題であり、当該観点から、具体的な投資プロセスの各段階において、従来の投資と異なる考慮要素についての議論が国内外で進んできています。そこで、本稿より全5回にわたり、投資プロセスを段階的に分け、実際の取り組み事例や国内外の議論等

英国に学ぶインパクトファーストな投資事例

先進的な取り組みが進む、英国のインパクト投資事例をまとめたマガジンです。

くわしく見る

政策提言とファンドの両輪で貧困削減に取り組む:Fair By Design Fund

100年以上にわたって社会正義と平等の問題に取り組んでいる財団のBarrow Cadbury Trustは、休眠預金のBSC(Better Society Capital)などと協力し、10年で「貧困プレミアム」を撲滅するためにシステムを変革するキャンペーン「FAIR BY DESIGN」を立ち上げました。 今回紹介するFair By Design Fundは、このビジネス領域の取り組みの一環としてベンチャーキャピタルのAscensionと協働で立ち上げられたものです。

超初期のインパクトスタートアップへの投資に伴うリスクをどう低減するか?:Bethnal Green Ventures

社会的課題の解決に挑む超初期のスタートアップに投資を行う際には、そのリスクの高さが課題になります。社会環境課題の領域を分散することでこのリスクを低減しているのが、今回紹介する英国のBethnal Green Venturesです。 同社は、英国インパクト投資業界において 10年以上アクセラレーターを運営し、プレシード期に株式投資している唯一のファンドを運営しています。 Bethnal Green Venturesとは?Bethnal Green Venturesは、Tec

老舗社会的企業によるインパクト投資:Growth Impact Fund

インパクト投資領域のベンチマークとなる国はどこか、という問いに対して、必ず名前が挙がる国の一つが英国です。英国の休眠預金などを資金源として社会的インパクト投資の拡大に取り組むビッグ・ソサエティ・キャピタル(現ベター・ソサエティ・キャピタル、以後BSC)の集計によると、英国における社会的インパクト投資(※)の額は、2011年の833百万ポンドから2022年の9,357百万ポンドと約10倍に成長しています。 (詳細:BSC(2024)「10 LESSONS FROM GROWIN

英国に学ぶインパクトファーストな投資事例

昨今、インパクト投資市場が国内外で急拡大をしています。インパクト投資に投下された資本総額を示すインパクト投資残高は、2023年度の日本で11兆5,414億円(昨年比197%)と、1年前より197%拡大しています。 (出所)『日本におけるインパクト投資の現状と課題 2023年度調査』(一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)発行/GSG国内諮問委員会 監督) 市場の拡大と合わせて、インパクト投資という言葉は徐々に認知も広がりつつあります。一方で、インパクト投資とは何か、何がイ