JANPIA出資事業部note | インパクト投資の世界を広げる

インパクトファーストな投資情報や社会的インパクト評価の先進事例、社会課題を解決するインパクトスタートアップに関する情報などをお届けします。休眠預金の指定活用団体である日本民間公益活動連携機構(JANPIA)出資事業部の公式noteです。

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マガジン

専門家によるインパクト投資コラム

各分野の専門家によるインパクト投資に関する知見やノウハウをまとめました。

くわしく見る

ファンドのインパクト目標の「明確さ」と「メリハリ」がIMMの実践に及ぼす影響 ~林 寿和コラム 第3回

第1回コラム「IMM(インパクト測定・管理)とは何か?実施主体は企業か、それとも投資家か?」では、一口にインパクト測定・管理(Impact Measurement and Management:IMM)といっても、「投資家主体・ポートフォリオレベルのIMM」と、「企業主体・個社レベルのIMM」という、レイヤーが異なる2種類のIMMが存在することを述べました。 「投資家主体・ポートフォリオレベルのIMM」と「企業主体・個社レベルのIMM」のイメージを図示すると下図のようになり

インパクトパフォーマンスは約98%が「期待通り」か「期待以上」?:インパクト測定の実際に迫る ~林 寿和コラム 第2回

インパクト投資に欠かすことができない要素の一つがインパクト測定です。しかし、投資先の企業が生み出したインパクトを測定することは必ずしも容易ではありません。厳密に測定しようとすればするほど、その難易度も増していくのが一般的です。 厳密なインパクト測定の一例として、1980~90年代の米国における、自動車盗難時に車両の発見を手助けする無線送信機の普及がもたらした効果・影響について分析した研究論文があります。この無線送信機は、設置しているか否かが自動車の外見からは分からない(つま

IMM(インパクト測定・管理)とは何か?実施主体は企業か、それとも投資家か? ~林 寿和コラム 第1回

インパクト投資活動において、欠かすことができない重要な要素の一つとされているのがIMMの実施です。IMMとは、Impact Measurement and Managementの略で、日本語では「インパクト測定・管理」や「インパクト測定・マネジメント」と表記されます。 このコラムでは、IMMの成り立ちや、その意味合いを確認するとともに、IMMには企業主体・個社レベルのIMMと、投資家主体・ポートフォリオレベルのIMMが存在する、という点について解説します。 IMMという言

英国に学ぶインパクトファーストな投資事例

先進的な取り組みが進む、英国のインパクト投資事例をまとめたマガジンです。

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政策提言とファンドの両輪で貧困削減に取り組む:Fair By Design Fund

100年以上にわたって社会正義と平等の問題に取り組んでいる財団のBarrow Cadbury Trustは、休眠預金のBSC(Better Society Capital)などと協力し、10年で「貧困プレミアム」を撲滅するためにシステムを変革するキャンペーン「FAIR BY DESIGN」を立ち上げました。 今回紹介するFair By Design Fundは、このビジネス領域の取り組みの一環としてベンチャーキャピタルのAscensionと協働で立ち上げられたものです。

超初期のインパクトスタートアップへの投資に伴うリスクをどう低減するか?:Bethnal Green Ventures

社会的課題の解決に挑む超初期のスタートアップに投資を行う際には、そのリスクの高さが課題になります。社会環境課題の領域を分散することでこのリスクを低減しているのが、今回紹介する英国のBethnal Green Venturesです。 同社は、英国インパクト投資業界において 10年以上アクセラレーターを運営し、プレシード期に株式投資している唯一のファンドを運営しています。 Bethnal Green Venturesとは?Bethnal Green Venturesは、Tec

老舗社会的企業によるインパクト投資:Growth Impact Fund

インパクト投資領域のベンチマークとなる国はどこか、という問いに対して、必ず名前が挙がる国の一つが英国です。英国の休眠預金などを資金源として社会的インパクト投資の拡大に取り組むビッグ・ソサエティ・キャピタル(現ベター・ソサエティ・キャピタル、以後BSC)の集計によると、英国における社会的インパクト投資(※)の額は、2011年の833百万ポンドから2022年の9,357百万ポンドと約10倍に成長しています。 (詳細:BSC(2024)「10 LESSONS FROM GROWIN

英国に学ぶインパクトファーストな投資事例

昨今、インパクト投資市場が国内外で急拡大をしています。インパクト投資に投下された資本総額を示すインパクト投資残高は、2023年度の日本で11兆5,414億円(昨年比197%)と、1年前より197%拡大しています。 (出所)『日本におけるインパクト投資の現状と課題 2023年度調査』(一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)発行/GSG国内諮問委員会 監督) 市場の拡大と合わせて、インパクト投資という言葉は徐々に認知も広がりつつあります。一方で、インパクト投資とは何か、何がイ