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JANPIA出資事業部、公式noteをはじめます!

こんにちは。JANPIA出資事業部長の小崎亜依子です。
JANPIA出資事業部では、この度、公式noteをスタートいたします!


JANPIA(一般財団法人日本民間公益活動連携機構)とは

最初に、JANPIAについて簡単に紹介させてください。

JANPIA(一般財団法人日本民間公益活動連携機構)は、休眠預金等を活用し、行政だけでは十分な対応が難しい社会課題の解決に取り組む財団です。

休眠預金等とは、10年以上、入出金等の取引がない預金等のことです。2018年の休眠預金等活用法の施行に伴い、以下の3分野で公益活動を行なう民間の企業や団体に活用することができるようになりました。

  1. 子どもや若者への支援

  2. 生活を営む上で困難を有する者への支援

  3. 地域活性化への支援

JANPIAは、休眠預金等を預金保険機構から交付を受け、公益活動を行なう団体・企業へ支援を届ける「指定活用団体」として活動しています。制度の詳細はこちら

2024年3月19日時点での、助成額のこれまでの総額は約290億円です。
2024年1月より、これまでの「助成」に加えて、「出資」を行うことが可能になりました。(下図の赤枠部分)

今年度の出資の予算額は10億円ですが、これを適切に配分しつつ、日本の社会課題解決に貢献するために、様々な検討を行っていく予定です。

なぜ出資なのか

社会課題解決へのアプローチには様々なものがあります。すぐに思い浮かぶのは、規制改革や税制改革など、政府によるアプローチです。その影響力は甚大ですが、実現には相応の時間を要したり、関係者の調整が難しく実現できなかったりすることもあります。よりスピーディーに、そして細やかな対応が可能なのは、民間プレイヤーによるアプローチです。休眠預金等活用事業が取り組むのは、これら民間プレイヤーの活動の支援です。

民間プレイヤーの社会課題解決のアプローチは、取り組む領域や事業・活動によって様々な形があり、その種類ごとに適した支援方法は異なります。
例えば、収益を生む可能性はない(もしくはそれを目指さない方が良い)けれども、重要な社会課題解決に貢献する場合は、「助成」での支援が適しているかもしれませんし、収益を生む可能性があれば、「出資」での支援が適しているかもしれません。また、立ち上げの初期のフェーズは「助成」で支援を行い、収益を生む可能性が見えてきた段階で「出資」での支援を行うという方法もあるかと思います。

休眠預金等の資金が出資にも活用されることで、社会課題解決を目指す民間プレイヤーにとっての資金調達の手段を拡充させていくとともに、必ずしも多くのリターンを必要としない休眠預金等の特性を活かし、他の投資家の資金の流入を促す呼び水効果の実現にも取り組んでいきたいと考えています。これらの取り組みを通じて、社会課題領域での資金環境を整備・充実化させ、上述の3分野における社会課題解決の加速を目指していきます。

インパクト投資市場にどんな変化をもたらしたいのか

2024年1月から、休眠預金の制度で上記3分野の社会課題解決を目的とした「出資」、すなわちインパクト投資に資金を供給することが可能になりました。「インパクト投資」と一言で言っても、下図のように、そこには多様な「意図」が存在します。財務リターンを稼ぐことにより意図があるプレイヤーから、インパクト創出により意図があるプレイヤーまで多様に存在するのが、インパクト投資の特徴の1つでもあります。

(出所)ROCKEFELLER PHILANTHROPY ADVISORS ” IMPACT INVESTING” (2017)を元に筆者作成

日本に限って言えば、左の水色部分のプレイヤーが圧倒的に多いのが現状です。あくまでも印象ですが、例えば下図のようなイメージです。

休眠預金等の資金が、この右のオレンジ色部分を大きくするインパクト優先な資金の提供(Impact First Investor (Wholesaler))を行うことで、インパクト投資市場に多様性をもたらし、また呼び水効果を発揮させて社会課題解決に貢献していきたいと考えています

まだまだこれからですが、例えば以下のようなことを検討していく予定です。

  • JANPIAが呼び水効果を発揮することで、一般的な投資家を社会課題解決の分野に呼び込むことができないか

  • 資金調達が難しい、特定の課題に取り組む初号ファンドに資金を供給し、2号ファンドの設立を促進することができないか

  • 超アーリー期への資金供給を通じて、新しい社会的企業の育成を支援し、その後のフェーズの投資家と連携して成長を加速させることができないか

  • そして、そもそもリスクキャピタルの供給が課題解決にフィットする領域はどこなのか。どこに資金供給を行うことで最大の効果が得られるのか

  • インパクトを優先する投資家や資産運用会社、起業家などがお互いに学びあえるコミュニティを作れないか

このnoteでは、上記に関連する内外の事例や、アカデミアの知見などを紹介していきます。そして、同じようなことを志す方の取り組みが進化する一助になればと思いますし、また私たちの仲間を増やしていけたらと思っています。

どうぞよろしくお願いします。

JANPIA 出資事業部長 小崎亜依子

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