各分野の専門家によるインパクト投資に関する知見やノウハウをまとめました。
先進的な取り組みが進む、英国のインパクト投資事例をまとめたマガジンです。
前稿では、インパクトの実現に資する投資手法の設計について議論をしました。 本稿では、そのような投資手法の設計と組み合わせて、インパクト目標の実現に資する、ひいてはインパクトウォッシュを防ぐための契約条項についてご紹介します。 インパクト投資特有の契約条項とは? 日本でインパクト投資を実施している実務家の方々とお話をすると、インパクト投資の場面においても、通常のベンチャー投資や融資において利用されている契約書を流用しているケースも多く、インパクト投資特有の契約条項を実務に
突然ですが、「アフォーダブルハウジング」という言葉を聞いたことがありますか。イギリスの社会的インパクト投資では、アフォーダブルハウジングに特化したファンドの取扱高が急激に増えており、イギリスの社会的インパクト投資残高の内55%が、アフォーダブル・ソーシャルハウジング分野への投資とされています。[Better Society Capital (以下BSC)の定義・データによる。(出所:BSC 2022 Market data)] 今回の記事では、アフォーダブルハウジングが伸び
「インパクト投資」の実践を標ぼうする投資家や、「インパクトスタートアップ」「インパクト企業」を標ぼうする企業の間では、何らかの「インパクト測定」を行うことが、デファクト・スタンダート(事実上の標準)となりつつあります。しかし、こうした企業や投資家は、そもそも論として、一体なぜインパクト測定を行うのでしょうか。インパクト測定にはどのような効果があるのでしょうか。 このコラムでは、「インパクト測定をなぜ行うのか」という、極めて本質的な問いについて考えてみたいと思います。 イン
インパクト投資実務では、ファンド等の投資期間内での事業成長とIPO・M&Aによるエグジットを前提とした、既存のPE/VC型の投資と同様の態様で実施されることも多いと認識しています。しかしながら、金融庁が2024年3月に公開したインパクト投資(インパクトファイナンス)に関する基本的指針においても、特に社会課題解決に係る事業については、社会・環境的効果の実現や事業性の創出に一定の時間を要する場合も多いことを踏まえて、投資家からの様々な形式でのファイナンスを通じた貢献の重要性が指摘
インパクト投資は、経済性と社会性を同時に追求する投資のことを言いますが、より経済性を重視するのか、社会性を重視するのかは、インパクト・ファンドの戦略によって異なります。Global Impact Investing Network(GIIN)の調査結果によると、経済性をより重視するファンド(ファイナンシャル・ファースト)が圧倒的に多数で74%を占めていますが、残り26%〔 内訳はマーケットレートよりも低く、資本保全に近い(12%)、マーケットリターンに近い(14%)〕は社会性
こんにちは。JANPIA出資事業部note編集部です。 2024年度出資事業の公募がスタートしました!先日開催された公募説明会では、昨年度の学びや改善点、今年度に実施する申請者支援の取り組みについて詳しくご紹介しました。本記事では、そのポイントをお伝えします。 昨年度の成果と学びを活かして昨年度、初めて実施された出資事業の公募では13事業の申請があり、最終的に2事業が採択されました。意欲的な提案が多数見られた一方で、提出書類の準備や審査プロセスにおける負担が大きかったことが